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【柴犬大好き】しつけから病気まで獣医師監修で丸わかり!

 

柴犬

柴犬(しばいぬ)は、日本原産の日本犬で天然記念物に指定されている犬種です。

しばけん」と呼ばれることもありますがしばいぬ」が正しい呼び方です。

今回は、日本原産の犬種である柴犬の性格や心配しておきたい病気などを、解説します。

ぜひ最後まで読み進めていただき、これから飼いたいと考えている方、あるいは既に飼っているけど、病気やしつけについて知りたい方などは、当記事を参考にしてみてください。

 

1.柴犬(しばいぬ)はどんな犬?

柴犬は日本原産の犬種であり、かつては猟犬として活躍していた歴史をもちます。

1936年には天然記念物に指定されており、現在では世界からも注目を集める、日本を代表とする犬種の1つとなります。

ちなみに忠犬ハチ公は秋田犬(あきたいぬ)であり、同じ日本犬ですが、柴犬とは別の品種です。

また、豆柴というのは身体が小さい柴犬の呼称であり、正式な犬種ではありません。
日本社会福祉愛犬協会(KCジャパン)や一般社団法人日本豆柴犬協会では、独自に豆柴を公認しています。

 

柴犬は小型犬ですが、均整がとれた体格で、骨格はしっかりとしています。固体により様々ですが、体高は、オス体高38~41 cm、メス35~38 cm、体重はオス10kg前後、メス8kg前後が一般的です。

毛色は黒褐色胡麻黒胡麻赤胡麻などがあります。

被毛はダブルコート(硬い上毛と柔らかい下毛)で、丸くてボリュームのあるシルエットは非常に愛らしいですが、特に換毛期(春、秋頃)は大量の抜け毛を覚悟する必要があるでしょう。

くるんと力強く巻き上がった尾も特徴的で、お尻が丸見えなところも可愛らしいですね。

 

2.柴犬の性格、しつけについて

柴犬は飼い主に忠実で、甘えた姿を見せてくれることも多いですが、番犬気質です。つまり、飼い主以外には非常に警戒心が強く、見知らぬ人には吠え立ててしまうことがあるかもしれません。

自宅に家族以外の訪問があった際、お散歩中などの場面で、他の飼い主やわんちゃんとのコミュニケーション、動物病院での処置時などには、トラブルにならないよう注意が必要かもしれません。

 

昔と比べれば穏やかな性格の子が増えてきてくれた印象もありますが、幼いころからきちんとしつけをして問題行動を定着させないようにするのが重要でしょう。

一旦定着した問題行動を矯正することは非常に大変ですので、やはり定着させないための予防が必要です。

そのために重要となる時期が社会化期(犬では4〜12週齢ごろ)です。

社会化期に経験した事象は、成長後の行動に大きく影響しますので、この時期に多様な刺激に慣らせておくべきでしょう。例えば、他の犬との遊び、車やチャイムの音、家族以外の多様な外見の人との接触など、社会化期にこれらの刺激に触れないまま成長してしまうと、これらへの恐怖が問題行動として現れてしまうことは少なくありません。

一般的なワクチン接種のタイミングがこの時期とかぶるため、ワクチン接種が完全に終了するまでは、外に出してはいけないと言われることもあるかもしれません。これは感染予防の観点のみで言えば間違った意見ではありませんが、上記のように社会化期は問題行動の予防のための重要な時期ですので、個人的には賛同できません。

 

警戒心が強く、恐怖から問題行動につながりやすい柴犬であれば尚更、「抱っこしての様々な環境でのお散歩」、「同腹犬や同居犬との自宅内での接触」、「最低限のワクチン接種を終えた犬同士で開催されるパピークラスへの参加」などは積極的に行うべきでしょう。

 

3.柴犬はどんな病気になりやすい?

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純血種である以上、基本的にはどんな犬種でも好発疾患(なりやすい病気)は存在します。柴犬の好発疾患が特別多いということはありませんし、長生きしてくれることが多い印象ですが、柴犬もいくつかの好発疾患がいわれていますので、代表的なものを紹介します。

 

4.1.皮膚炎、外耳炎

柴犬は犬アトピー性皮膚炎食物アレルギーを発症しやすく、若いうちから皮膚炎や外耳炎に悩まされることがあるかもしれません。

食物アレルギーは、その子にあった食事(低アレルゲン療法食や手作り食)を見つけることができれば、お薬は使わずに皮膚炎の管理ができるかもしれませんが、犬アトピー性皮膚炎(ハウスダストなどの環境因子によるアレルギー)は、お薬を長期間使わなければならないこともあります。

どちらも命に関わる問題となることは基本的にはありませんが、食事やお薬の管理をしても完全には良くならないこともあり、生涯付き合っていく必要はあるかもしれません。

 

4.2.慢性胃腸炎、消化管型リンパ腫

下痢や嘔吐が続く、ご飯を食べているのに体重が減っていく、などが見られる場合、柴犬では特に胃腸の病気を疑った方がよいかもしれません。柴犬では他犬種より慢性胃腸炎消化管型リンパ腫の発生が多いだけではなく、それらを発症した場合の余命も他犬種より悪いことが明らかになっています。消化管型リンパ腫は消化管に発生する悪性腫瘍(がん)の1つであり、発症する場合は中高齢が多いですが、これも柴犬だけは若齢で発症することがしばしばあります。すぐ良くなるような下痢などはあまり心配しなくても良いかもしれませんが、症状が続く場合には早めに獣医師に相談したほうがよいでしょう。

 

4.3.認知症(認知機能不全症候群)

高齢の柴犬では、認知症(認知機能不全症候群)をおこすことも多いといわれています。疾患の明確な定義はされていませんが、その症状は様々で、「昼夜逆転」、「夜鳴き」、「家の中で迷う」、「飼い主への関心がなくなる」、「食事を食べた直後に食事を催促する」、などが見られる場合はこの疾患を疑います。

また、上記のような行動異常が見られる場合でも、すぐに認知機能不全症候群といえるわけではなく、正確にはその他の脳疾患を除外するための神経検査やMRI検査の実施について考える必要があります。

 

4.4.白内障、緑内障

どちらも目の病気であり、白内障は目のレンズである水晶体が濁ってしまう病気、緑内障は目の中の圧が高くなってしまう病気であり、どちらも失明の原因となり得ます。

ただ、上記に挙げた疾患に比較すると、柴犬だけがこの疾患に特別なりやすいということではなく、どの犬種でも発症する可能性はあります。白内障は目が白くなってくることで気づかれる飼い主さんも多いですが、水晶体は加齢によってある程度は自然と白くなることもある(核硬化症)ので、気づいたらまずは獣医師に相談してみましょう。

 

4.飼育するうえでの注意点を解説

草むらを走る柴犬

柴犬を飼育するうえで、まずはその子の性格をよく知る必要があります。

今までの説明からも分かる通り、柴犬は飼い主には忠実で、可愛らしい姿を見せてくれることも多いですが、獣医師からいえば正直、神経質で気難しい子が多いです。

その子が何に怖がるのか、何をしたら怒ってしまうのか、よく把握して、それを避ける、もしくは避けられない場合にはトラブルにならないよう準備をしておく必要があるかもしれません。

 

もちろん穏やかな性格の子であれば不要でしょうが、どうしても周囲に対して過剰に警戒してしまう性格であれば、「ドッグランで遊ばせる場合にはすぐにリードを離さず、周りにいる子と仲良くできそうか確認してから遊ばせる」、「動物病院での検査や処置が必要な場合には事前にエリザベスカラーや口輪をつけておく」などは犬にとっても飼い主にとってもストレスやトラブルを避けるためにできる準備かもしれません。

また、小型犬とはいえ活発な性格の子も多いため、十分な運動量は必要です。毎日のお散歩や、一緒にお出かけなどをして楽しい日々にしてあげましょう。

 

5.楽しい柴犬ライフを送ってください

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性格の注意点や、なりやすい病気などについての記事のため、上記をよんで、柴犬を飼うことに不安を感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

ただ、生き物である以上、どんな犬種にも注意すべきポイントや、なりやすい病気は存在しますし、柴犬が特別に飼いにくい犬種とは思っていません。

飼い主には従順で、穏やかで可愛らしい姿をみせてくれることも多く、海外でもひそかな人気となっている日本を代表する犬種ですので、家族に迎えればきっと楽しい柴犬ライフを過ごせることでしょう!