猫が「ふみふみ」するのはなぜ?5つの理由を解説!
ほとんどの猫の飼い主さんは、自分の愛猫が「ふみふみ」をしている姿を見たことがあるでしょう。
「ふみふみ」は、お布団や毛布などのやわらかいものを前足で交互に踏む仕草のことです。
すべての猫ちゃんがやるわけではないので、見たことのない方もいるかと思います。また、子猫の頃はやっていても、成猫になってやらなくなる子もいます。
そんな愛らしい猫の「ふみふみ」ですが、なぜ猫は「ふみふみ」をするのでしょうか。
今回は猫の「ふみふみ」について解説していきたいと思います。
1.「ふみふみ」を英語で表現したら、超絶可愛いかった
「ふみふみ」の正式名称をご存じですか?
ふみふみという擬態語ではなく、動物学的な呼び名は何だろうと、筆者も知らなかったので調べてみました。
残念ながら、これと言った正式名称はないようです。
そこで、ふと気になったので英語では何というのかも調べてみました。
英語ではmaking biscuits(メイキングビスケット)もしくはkneading(ニーディング)といいます。
making biscuitsは、make 作る+biscuitsビスケット=ビスケットを作る
kneadingは、kneadで、パン生地を混ぜ合わせる(こねる)という意味です。
どちらもパン生地をコネコネしている様子を表しています。
日本と表現は違いますが、愛らしい姿が浮かんできます。
当たり前ですが、英語圏でも猫はコネコネしているのですね。
2.猫がふみふみするのはなぜ?
それでは猫が「ふみふみ」する理由を解説していきます。 ふみふみする物によって意味が違うようです。
2.1.愛情表現をしている。
飼い主さんの体をふみふみをする猫は、飼い主さんに対しての愛情表現や信頼の表れと言われています。
猫はあなたの側にいることが心地よく、愛情を示したいと考えています。
時には爪が立って痛い思いをするかもしれませんが、そっとやらせてあげてくださいね。
2.2.リラックスしている
猫がリラックスする前に毛布やベッドの上でふみふみしているのに気づいたら、おそらくできるだけ快適な寝床を作っています。自分のお気に入りのお布団や毛布などに猫がふみふみすることでよりリラックスして眠ることができるそうです。猫が周りでリラックスして快適に感じていることはとても素敵なことですね。
2.3.ストレスを感じている
執拗にふみふみする行動が見られた場合はストレスが原因かもしれません。精神状態をなんとか安定させようとする行動だと言われています。
今までふみふみしなかったのに急にし始めた、あまりにも長い時間ふみふみしている、または頻繁にふみふみしている場合は、何かストレスを感じている可能性があります。
工事などで大きな音がする、新しい家族が増えて落ち着くことができなくなったなどの原因で、ストレスを感じている可能性があります。そのような場合には獣医師へ相談をして、ストレスを引き起こす可能性のある原因を取り除いてあげましょう。
2.4.自分の物だと主張している
お気に入りのお布団や毛布などに「ふみふみ」する行動が見られる時がありますが、これはふみふみしている物を自分の持ち物だと主張していることが考えられます。猫は肉球や爪の周りに多くの汗腺を持っているので、自分のテリトリーを示したり、持ち物にマーキングしたりしていると考えられています。猫は縄張り意識がとても強い生き物ですので、自分の匂いを付けることで縄張りを示しています。
もし飼い猫があなたをふみふみすることがあったら、あなたは自分の持ち物で、誰にも奪われたくないという想いの表れだと思ってください。
2.5. 乳離れができていない。
子猫時代は授乳中に母猫の乳房をふみふみすることがありますが、これは母猫の乳腺を刺激してたくさんのミルクがでるようにしている行動です。赤ん坊だった頃のことを思いだし「ふみふみ」をすると言われています。
3.ふみふみしない猫もいる?
うちの子は「ふみふみをしない」と心配している飼い主さんもいると思いますが、安心してください。
先ほども解説しましたが、「ふみふみ」は本来子猫が行う特有の行動ですので、成猫になるとしなくなることもあります。
「ふみふみ」をしない理由は大きく2つあります。
3.1.乳離れができている
そもそも「ふみふみ」は母猫の母乳を飲む際に、お乳をふみふみすることで、母乳がたくさん出るように行っています。そのため、乳離れができている猫はふみふみをしないと考えられています。
3.2.お気に入りの柔らかい物がない
自分のお気に入りのお布団やタオルなどの柔らかい物がない場合は、ふみふみをしません。リラックスしたい場合や快適な寝床を作るときに見られる行動であるため、気に入ったお布団や毛布などがない場合は、ふみふみしないと考えられています。
4.こんな点には注意が必要です!
ウールサッキングしながらふみふみするような場合は注意が必要です。
ウールサッキングとは、wool(ウール)をsuch(吸う)ことをいい、猫が主に布類を吸ったり、噛んだりする行動のことです。
通常、ウールサッキングは0〜1歳頃までに見られる行動であり、行動障害の一種に分類されています。原因は明確化されていませんが、遺伝的な要因のほか、ストレスも原因の1つと考えられています。
ウールサッキングは、続けると誤飲・誤食につながるため、注意しましょう。ウールサッキングしながらふみふみしている場合は、危険なものを片付ける、注意をそらしてやめさせる、ストレスの原因を取り除く、などの対応が必要です。
さらに、オス猫が後ろ足でふみふみしている場合は、リラックスではなく発情期のサインです。発情期にもかかわらず、交尾できないことにストレスを抱えてしまいます。
おやつやおもちゃなどで気をそらしたり、去勢手術を行ったりすることが大切です。
5.猫のふみふみは本能的に行っている行動だった
猫のふみふみは、周りからみると少し奇妙な行動に映りますが、行動の背景にある理由を理解すると、それが非常に愛らしいこが分かってきます。
時には爪が刺さって痛い思いをすることがあるかもしれませんが、本能的に行っている行動ですので、怒ったりしないでください。
もしあなたの猫がふみふみしていたら、リラックスした至福の時間を過ごしていることの現れですので、そっと見守ってあげてくださいね。