何もないところをじっと見る、猫の視線の先にあるミステリー
愛猫が、何もない場所をじっと見つめている姿を見たことありませんか?
その視線の先には、いったい何があるのでしょうか?猫が見つめている方を見ても、特段何もないため、何をみているんだろうと不思議に思ったことはありませんか?
猫は人間とは異なる視覚と聴覚を持っているため、私たちには見えないものを見ている可能性もあります。あるいは、もしかすると幽霊が見えていたり、夢の影響を受けていたりするのでしょうか。
今回の記事では、猫が何もない場所を見つめる理由について、くわしく解説していきます。
1.猫の視線の先にあるものとは?
2.1.猫が興味を示すもの
猫は好奇心旺盛な動物です。その興味の対象は非常に幅広く、動きのあるもの、光るもの、音の出るものなど、様々なものに反応を示します。
猫は元々肉食動物であり狩猟動物です。そのため、動く動物や虫などを見つけたときは、狩猟本能が刺激されて追いかけます。特に、素早く動くもの、予測不可能な動きをするものに対して、強い興味を示します。
2.2.猫の視覚と聴覚:人間とは異なる世界を感じている?
猫の視力は人間の視力の10分の1程度で、0.2~0.1の視力と言われています。つまり、人間が30メートルや60メートル先に見える景色を見るために、猫は6メートルの距離にいなければ見えないことになります。
対して猫の視界は人間よりも広く、全体視野で250度あると言われています。平均的な人間の視野は180度ですので、人間よりもより広い範囲が見えていることになります。そして猫の動体視力は、人間の4倍ほどで、1秒間にわずか4ミリの動きでも感知できるとされています。素早い動きの動物を的確に捕らえたり、おもちゃを速く動かしても動きに付いて来られたりするのは、この優れた動体視力を持っているからなのです。
猫の聴力は、約 25 Hz(ヘルツ)~75,000 Hz の音を聞き取ることができます。人間の可聴帯域は約20 Hz~20,000 Hzと言われているため、大幅に上回ります。特に高音を聞き取ることができるため、獲物の居場所を突き止めるのに大変役に立ち、その驚異的な聴覚能力を活かして狩りを行ってきました。
猫は人間よりも広い視野を持ち、動体視力も優れています。また、高い音域の聴覚を持ち、遠くの音や微かな音も聞き取ることができます。
猫が何もない場所を見つめているのは、人間には見えない虫や小動物、あるいは光の反射などを見ているのかもしれません。
2.幽霊を見ている? 猫の不思議な能力
猫は第六感を持っているという説もあり、幽霊や地震、嵐などの予知能力を持っていると信じている人もいます。
科学的には証明されていませんが、猫は人間とは異なる感覚能力を持ち、私たちには見えないものを見ている可能性があります。そのため、科学では説明できない体験談も数多く存在します。
例えば、飼い主が亡くなった直後に、猫がその場所をじっと見つめたり、鳴いたりするといった話です。
また、古くから、猫は地震や嵐などの自然災害を予知する能力を持っていると言われてきました。それは、猫が微弱な振動や磁場を感じ取る能力も備えていると言われているからです。これらの能力によって、猫は地震や嵐などの前兆となる微かな変化を感知している可能性があります。
猫の優れた感覚能力が、人間には感知できない何かを察知しているのかもしれません。
3.退屈しのぎ? 猫の行動心理を解明
猫が何もない場所を見つめる理由は、退屈している可能性もあります。
猫は好奇心旺盛な動物ですが、十分な刺激がないとストレスを感じることがあります。
好きなおもちゃで遊ばなくなる、あくびをする、ずっと同じ行動を繰り返すなどの行動がみられた場合は、ストレスを感じているかもしれません。
猫に退屈させないためには、以下のような対策が有効です。
・十分な運動時間を確保する
・おもちゃで遊ぶ
・キャットタワーを設置する
・窓の外に景色が見えるようにする
・新しい家具や玩具を与える
猫に適度な刺激を与え、ストレスを溜めないようにすることが大切です。
4.「フェレンゲルシュターデン現象」とは:謎めいた視線の真相に迫る
愛猫が、何もない場所をじっと見つめている、そのような現象は「フェレンゲルシュターデン現象」と呼ばれています。
フェレンゲルシュターデン現象は、猫が何もない空間を見つめる行動を指す言葉です。しかし、この現象は実際には存在せず、ネットにこの説が書き込まれたことによって、本当のことのように信じられています。
この現象の話によると、第二次世界大戦中のドイツで、ナチスのある極秘研究施設で霊に関する研究をしていたシュターデン博士が、愛猫のフェレンゲルが何もない空間を凝視することから「そこには霊がいるのではないか」という仮説を立てたとされています。
フェレンゲルシュターデン現象の仮説
・人間には見えないものを見ている
・過去の記憶や夢を見ている
・潜在意識と繋がっている
・集中している
しかし、実際に猫が何もない空間を見つめる行動は、猫の聴覚が非常に発達しているために起こる可能性が高いです。たとえば、猫は、人間が聞こえないような高音を聞くことができるため、その音に反応して空間を見つめています。
このような行動が、フェレンゲルシュターデン現象と呼ばれることがありますが、実は、その背後には霊や超自然的な要素は存在していないのです。
あたかも真実のような記述も存在しますが、現在の科学では証明されていませんので、鵜呑みにしないようにしましょう。
5.飼い主としてはどう対応すればいい?
猫が何もない場所をじっと見つめる時、飼い主としては不安になるものです。
しかし、まずは落ち着いて猫の様子をよく観察することが大切です。これまで説明してきた通り、人間には見えない小さな虫や光を見ている可能性や高音域の音を聞くことができるため、壁の向こう側の音や、テレビの音などに反応している可能性があります。
また、ただ単に退屈しているだけかもしれません。猫が気になる音を遮るように、家具を配置したり、猫じゃらしやレーザーポインターなどを使って、一緒に遊んだりしてあげてください。
まずは焦らずに観察して、いつもと違う様子などが見られた場合には、病気やストレスなどの可能性を疑いましょう。
そして猫の様子をよく観察し、必要であれば動物病院を受診しましょう。
6.猫が何もない場所を見つめる理由は、猫の視覚と聴覚だった!
猫が何もない場所を見つめる理由は様々です。
人間には聞こえない高い音を聞き分けたり、素早く動くものを捉えたりすることができるので、このような行動をとります。そのため、猫が何もない場所を見つめているからといって特段の心配をする必要はありません。
飼い主は猫の様子をよく観察し、その行動の意味を理解することが大切です。
猫と愛情を持って接する、その視線の先にあるものを感じ取ることができるよう、日々の愛猫の行動を見守ってあげてください。